大六壬の課体とは?
課体とは、初伝を四課からどう取り出したかによって、その一課に付く名前です。四課にはそれぞれ上神と下神があり、初伝を取るときは上下の間に剋があるか、どちら向きの剋か、いくつあるかを見ます。課体はこの段階で決まります。
古典は初伝の取り方を九つにまとめ、九宗門と呼びます。
賊剋と遥剋は剋の向きで、昴星は日の陰陽でさらに二つに分かれるので、九つの法から十二の課体名が生まれます。九は法の数、十二は名前の数です。十に数える資料もあります。

無料の盤では課体が独立した一行に出て、短い伝統的な説明が添えられます。別に「立て方」の行があり、初伝を取った法が出ます。両者は別物で、同じ賊剋でも元首にも重審にもなり、反吟の盤の立て方が渉害になることもあります。
無料ツールで確かめながら読めます。
大六壬のツールを試す十二の課体の見分け方
次の手順を上から順に見て、当てはまったところで止めます。同じ上神が二つの課で同じ剋を作っていても、候補は一つと数えます。「異なる課」とは、上神と下の宮の組み合わせが違う課のことです。
盤の形を見る
月将が同じ支の占時に乗れば伏吟、衝の支に乗れば反吟です。四課がどうであれ、課体はこの名前になります。
下賊上を探す
下神が上神を剋す課(下賊上)がちょうど一つなら重審です。下賊上があれば、上剋下がいくつあってもそちらが先です。
上剋下を探す
下賊上がなく、上神が下神を剋す課(上剋下)がちょうど一つなら元首です。
同じ剋が複数あるとき
二つ以上の候補のうち、日干と陰陽が同じものが一つだけなら知一で、取り方は比用です。陰陽で分けられなければ渉害です。
四課に剋がないとき
甲寅・丁未・己未・庚申の日で異なる課が二つしかなければ八専です。そうでなければ第二〜第四課の上神を日干と比べ、神が日を剋せば遥剋・蒿矢、日が神を剋せば遥剋・弾射です。
それでも決まらないとき
異なる課が三つなら別責、四つそろえば昴星で、陽日は虎視、陰日は冬蛇掩目です。
表の右端の時刻で盤を立てれば、どの課体も確かめられます。
| 課体 | 見分け方 | 伝統的な読み方 | この時刻で確かめる |
|---|---|---|---|
| 元首 | 上剋下が一か所だけ、下賊上はない | 事が上から始まり、筋道が通る | 2026-10-21 10:30 |
| 重審 | 下賊上が一か所だけ(上剋下の数は問わない) | 事が下から始まり、見直しが要る | 2026-10-21 12:30 |
| 知一 | 同じ剋が複数、日干と陰陽が同じものが一つだけ | 自分に近いものを選ぶとよい | 2026-10-22 22:30 |
| 渉害 | 同じ剋が複数で陰陽では分けられず、渉害の深いものを取る | 道が険しく、実際に妨げがある | 2026-10-21 18:30 |
| 遥剋・蒿矢 | 四課に剋がなく、第二〜第四課の上神が日干を剋す | 遠くからの圧力で、初めは軽い | 2026-10-22 14:30 |
| 遥剋・弾射 | 四課に剋がなく、日干が第二〜第四課の上神を剋す | 事は自分から手を伸ばして取りにいくもの | 2026-10-21 00:30 |
| 昴星・虎視 | 四課がそろい、剋も遥剋もない陽日 | 外からよく見て、時機を待つとよい | 2026-10-23 04:30 |
| 昴星・冬蛇掩目 | 四課がそろい、剋も遥剋もない陰日 | 事が隠れていて今は見えない | 2026-10-22 06:30 |
| 別責 | 異なる課が三つだけで、剋も遥剋もない | 仲間や第三者を頼るとよい | 2026-10-21 06:30 |
| 八専 | 甲寅・丁未・己未・庚申の日、異なる課が二つで剋がない | 双方が同じ動きをし、分けにくい | 2026-11-29 06:30 |
| 伏吟 | 月将が同じ支の占時に乗る | 事が当面動かない | 2026-10-21 08:30 |
| 反吟 | 月将が衝の支の占時に乗る | 事が繰り返され、反転する | 2026-10-21 20:30 |
一日のうちに課体はどう変わる?
このシリーズの例は2026年10月21日10時30分、戊辰の日で、月将は辰です。日はそのままで時刻だけを動かすと、課体も変わります。二時間ごとに立てると、この一日だけで十二のうち七つが出てきます。
| 時刻 | 占時 | 立て方 | 課体 | 三伝 |
|---|---|---|---|---|
| 00:30 | 子の刻 | 遥克 | 遥克·弹射 | 子青龍・辰玄武・申螣蛇 |
| 02:30 | 丑の刻 | 遥克 | 遥克·弹射 | 亥勾陳・寅白虎・巳太陰 |
| 04:30 | 寅の刻 | 贼克 | 重审 | 申天后・戌玄武・子白虎 |
| 06:30 | 卯の刻 | 别责 | 别责 | 寅螣蛇・午青龍・午青龍 |
| 08:30 | 辰の刻 | 伏吟 | 伏吟 | 巳勾陳・申白虎・寅螣蛇 |
| 10:30 | 巳の刻 | 贼克 | 元首 | 卯朱雀・寅螣蛇・丑貴人 |
| 12:30 | 午の刻 | 贼克 | 重审 | 丑貴人・亥太陰・酉太常 |
| 14:30 | 未の刻 | 贼克 | 元首 | 寅螣蛇・亥太陰・申白虎 |
| 16:30 | 申の刻 | 贼克 | 重审 | 子螣蛇・申青龍・辰玄武 |
| 18:30 | 酉の刻 | 涉害 | 涉害 | 子青龍・未貴人・寅白虎 |
| 20:30 | 戌の刻 | 涉害 | 反吟 | 亥勾陳・巳太陰・亥勾陳 |
| 22:30 | 亥の刻 | 贼克 | 重审 | 寅白虎・未貴人・子青龍 |
10時30分の盤で剋があるのは、辰の上の卯だけです。木が土を剋す上剋下で、第二課と第三課に出ますが、同じ上神は一つと数えるので候補は卯だけ、課体は元首です。三伝は卯・寅・丑で、朱雀・螣蛇・貴人が乗ります。

- 12時30分:上剋下が二つ、下賊上が一つあります。下賊上が先で、下賊上は卯の上の丑の一つだけなので、それで決まります。課体は渉害ではなく重審です。
- 6時30分:第一課と第四課がどちらも巳の上の午で、異なる課は三つだけ。剋もまったくないので別責です。
表のどの行も、無料の大六壬で「盤だけ」を選び、日付と時刻を入れれば確かめられます。同じ入力からはいつも同じ盤が立ちます。この日の月将がなぜ辰なのかは大六壬の月将で説明しています。
渉害の深さはどう数える?
渉害は、陰陽でも分けられない候補を決める法です。例の日の18時30分には下賊上が三つあります。戊の上の子、辰の上の亥、亥の上の午です。戊は陽の干なので陽の支の子と午だけが残り、亥は数える前に比用で外れます。
残った候補は、乗っている地盤の宮から自分の本宮まで地盤をたどり、自分を剋す五行の支と、そこに寄宮する干を一つずつ数えます。
2026年10月21日18時30分の渉害の数え方
- 子(水)は戊が寄宮する巳に乗る:巳午未申酉戌亥、そして本宮の子へ。
- 途中で出会う土:巳に寄る戊、未、未に寄る己、戌。深さ4。
- 午(火)は亥に乗る:亥子丑寅卯辰巳、そして本宮の午へ。
- 途中で出会う水:亥、亥に寄る壬、子、丑に寄る癸。深さ4。
- 乗る宮の巳と亥はどちらも孟なので、まだ並ぶ。
- 陽日なので第一課の上神、子を取る。
深さが並んだときの決め方には、伝統的に三つの名があります。
- 見機:孟(寅・巳・申・亥)に乗る候補を取る。
- 察微:孟で分けられなければ、仲(子・午・卯・酉)に乗る候補を取る。
- 綴瑕:それでも並べば、剛日は干上神、柔日は支上神を取る。
この盤は綴瑕にあたります。初伝は子で青龍が乗り、中伝は未で貴人、末伝は寅で白虎です。
数え方は流派によって違います。寄宮の干を数えない流派もあれば、『大六壬指南』に沿って深さより先に孟と仲を見る流派もあります。
この盤はどちらの流派でも同じ結果になります。干を数えなければ子も午も深さ2、乗る宮も巳と亥でどちらも孟です。
伏吟と反吟の名前が剋で変わらないのはなぜ?
伏吟と反吟は、剋ではなく盤の形を指す名前です。8時30分の占時は辰で、月将そのものです。天盤のどの支も同じ支の地盤に重なり、四課に剋がないので、伏吟の規則で三伝を取ります。
2026年10月21日の二つの特別な盤
- 8時30分、占時は辰:伏吟。剋がなく、陽日なので第一課の上神から始める。
- 三伝は巳・申・寅:巳は申を刑し、申は寅を刑す。
- 20時30分、占時は戌:反吟。下賊上が二つ、戊の上の亥と亥の上の巳。
- 三伝は亥・巳・亥:渉害で亥を取り、どの支も自分の衝へ向かう。
20時30分は占時の戌が辰と衝になり、天盤のどの支も自分の衝と向き合います。二つの候補はどちらも陰の支で、日干の戊は陽なので比用では決まらず、渉害で亥を取ります。結果の「立て方」は涉害、「課体」は反吟のままです。
古典では返吟とも書きますが、反吟と同じ課体です。
大六壬の課体は読み解きで何を示す?
伝統的には課体を最初に読み、上から起こるのか下から動くのか、身近なのか遠くから来るのか、動いているのかまだ動かないのか、といった事の始まり方を見ます。
後世の課経は十二の課体のほかに、三光や龍戦など多くの課名を加えています。季節や天将、特定の日といった別の条件から立てる名前で、初伝の取り方とは関わりません。
その先は三伝と、三伝に乗る天将で読みます。問いを立てた盤では、大六壬の類神が問う事柄の位置を、大六壬の応期がいつ表に出るかを示します。
四課そのものに慣れていなければ大六壬の四課を、課体が盤のどの層にあたるかは大六壬の見方をご覧ください。シリーズ全体は大六壬入門にまとめています。
大六壬の課体についてよくある質問
課体は九つですか、十二ですか?
どちらの数え方もあります。古典は初伝の取り方を九宗門にまとめ、そのうち賊剋・遥剋・昴星が二つずつに分かれるので、課体名は十二になります。無料の盤に出るのもこの十二です。十に数える資料もあります。
「立て方」と「課体」はどう違いますか?
立て方は初伝を取った法、課体はその一課に付く名前です。同じ賊剋でも元首にも重審にもなり、反吟の盤は立て方が渉害でも課体は反吟です。
ほかの計算サイトと課体が違うのはなぜですか?
まず日干支、占時、月将を確かめてください。時刻や月将の切り替え日が違えば盤も変わります。三つとも同じで渉害の盤なら、深さの数え方が違うだけかもしれません。
見機・察微・綴瑕とは何ですか?
渉害で深さが並んだときの決め方です。まず孟に乗る候補(見機)、次に仲に乗る候補(察微)、それでも並べば剛日か柔日かで決めます(綴瑕)。無料の盤では三つとも渉害と出ます。
課体だけで問いに答えられますか?
いいえ。伝統的に課体が示すのは事の始まり方です。その後の流れは三伝と天将、問いがあれば類神と応期で読みます。
出典と範囲
- Multifate 無料の大六壬:この記事の例はすべて同じ計算エンジンで立てた盤で、結果の「課体」と「立て方」の行です。
- 大六壬指南 卷一:初伝を取る諸法を記した古典の原文で、遥剋、昴星、別責、八専、伏吟、反吟を含みます。
- 六壬大全 渉害課:渉害課の章で、地盤をたどって本宮まで深さを数える課の例が載っています。
- 六壬大全 伏吟課:伏吟課の章で、伏吟の盤の中伝と末伝を刑で取る方法が載っています。


